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情報法政策学研究センター

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特許法の理論

グローバルCOE知的財産研究叢書 1

田村 善之

『特許法の理論』

有斐閣 2009

 

目次

第1編 特許法総論

第1章 特許制度をめぐる法と政策

I 特許制度の意義

II 効率性の基準から裁判規範へ

III 裁判規範の定立の例

IV 規範の定立の仕方に関する理論

1 プロスペクト理論 (Prospect Theory)  2 競争的イノヴェイション理論 (Competitive Innovation Theory)  3 累積的イノヴェイション理論 (Cumulative Innovation Theory)  4 アンチ・コモンズ理論 (Anti-commons Theory)  5 特許の薮理論 (Patent Thickets Problem)

V 規範の定立の仕方を分野毎に違える理論

VI 規範の定立の理論と政治過程に関する議論の融合

VII 規範の定立の政治的責任の問題

VIII 知的財産法政策学の試み

第2章 抽象化するバイオテクノロジーと特許制度のあり方

I はじめに

II 問題の所在

1 特許付与の問題  2 特許の権利制限が認められる範囲の問題

III バイオ特許の抽象化とその限界

1 バイオ技術の抽象化とバイオ特許の抽象化  2 用途の具体化の基準に関する一般論  3 市場における分業体制と要求すべき用途の具体化の程度の関係  4 抽象化による弊害と非容易推考性の活用

IV 抽象化したバイオ特許の権利行使の制約原理

1 問題の所在  2 利用特許と裁定実施  3 用途による保護範囲の限定  4 競争政策による対処

結び

第2編 特許権の技術的範囲

第1章 均等論における本質的部分の要件の意義−−均等論は「真の発明」を救済する制度か?

I 序

II ボールスプライン軸受最高裁判決

1 背景事情  2 最高裁判決  3 5要件の趣旨  4 その後の下級審判決における動向

III 下級審の裁判例における本質的部分の要件の取扱いの分析

1 「本質的部分」の意義  2 解決原理との関係  3 明細書の記載との関係  4 公知技術との関係  5 出願経過・審査経過との関係  6 小括

IV 解釈論の展開

1 本質的部分の要件と置換可能性の要件の関係  2 技術的思想の開示のインセンティヴという観点からみた本質的部分の要件の意義  3 効率的な特許制度の運用という観点からみた本質的部分の要件の意義

結語

第2章 多機能型間接侵害制度による本質的部分の保護の適否−−均等論との整合性

I はじめに

II 「課題の解決に不可欠なもの」=発明の本質的部分と捉えることの問題点

1 不可欠要件と均等の第1要件を同旨のものと捉える見解  2 均等論との不均衡  3 主観的要件の活用による均衡の回復の可能性について  4 棲み分けによる解決の可能性について  5 紛争解決の実効性について  6 小括

III 裁判例

1 概観  2 不可欠要件に本質的部分以上の限定的要素を織り込む裁判例  2 汎用品要件を活用した調整を示唆する裁判例  3 要件論を展開することなく侵害の成否を判断する裁判例  4 その他の方策を模索する裁判例

IV 「にのみ」型間接侵害と共同不法行為の活用の可能性

1 他の法理の活用の可能性  2 「にのみ」型間接侵害の活用の可能性  3 共同不法行為の活用の可能性

V 検討の視座の設定

VI 多機能型間接侵害の理念型その1−−本質的部分保護を目的とするモデル

1 趣旨  2 主観的要件  3 保護の対象  4 公知技術  5 包袋禁反言  6 独立説と従属説  7 先使用

VII 多機能型間接侵害の理念型その2−−差止適格対象の拡大を目的とするモデル

1 趣旨  2 多用途から分離して特許発明の実施用の用途を除去・停止しうる場合  3 主観的要件  4 本質的部分  5 公知技術  6 独立説と従属説  7 包袋禁反言と先使用

VIII 特許法101条2号,5号に適合的な解釈の探求

1 本質的部分説の適否  2 差止適格性説の可能性

IX 特許法101条2号,5号の要件各論

1 差止適格性説の採用  2 不可欠要件  3 主観的要件  4 汎用品要件  5 包袋禁反言・先使用・独立説と従属説

X 間接の間接侵害否定論について

第3章 特許権侵害訴訟における無効の主張を認めた判決−−半導体装置事件

I 判示事項

II 事実

III 判旨

IV 研究

1 はじめに  2 従前の裁判例  3 当然無効の抗弁の法理  4 本判決の意義  5 判旨の射程  6 判旨の射程その2−−訂正との関係  7 均等論における仮想的クレイムの要件との関係

第4章 判断機関分化の調整原理としての包袋禁反言の法理

I はじめに

II 包袋禁反言の根拠

1 一般の民事訴訟法の原則  2 判断機関分化の調整原理としての包袋禁反言の法理  3 包袋禁反言の法理の根拠

III 包袋禁反言の法理の適用の要件

1 序  2 出願審査手続きにおける限定的主張・補正  3 特許付与後の無効審判等における限定的主張  4 別の侵害訴訟における限定的主張

第3編 消尽理論

第1章 消尽理論と方法特許への適用可能性について

I 消尽理論の概観とその根拠

1 消尽理論の概観  2 消尽理論の根拠  3 所有権説  4 黙示的実施許諾説  5 小括

II 消尽の効果と契約

1 特許権者の一方的意思表示で消尽の効果の発生を阻止しうるか  2 消尽により自由になしうる行為を制約する契約の有効性  3 制限契約により消尽の効果の発生を阻止しうるか  4 所有権留保と消尽

III 専用品の提供と物の発明の消尽の可否

1 問題の所在  2 学説  3 全工程を実施する専用装置が提供された場合  4 その他の専用装置,専用品が提供された場合

IV 契約法理と独占禁止法による調整

補) インクカートリッジ知財高裁大合議判決における方法の特許と消尽の取扱い

1 問題の所在  2 物を生産する方法の特許によって生産された物の流通と消尽理論  3 第1類型(間接侵害に該当する装置等の使用行為類型)  4 第2類型(物の発明の実施行為類型)

第2章 費消済みインクタンクにインクを再充塡する行為と特許権侵害の成否−−インクカートリッジ最高裁判決の意義

I 事実

II 判旨

1 一般論として消尽理論を肯定  2 消尽の範囲に関する一般的な基準を定立  3 本件への当てはめ  4 並行輸入品に関して

III 評釈

1 消尽理論  2 修理と再生産  3 「生産」アプローチと「消尽」アプローチ  4 侵害の成否の判断基準  5 具体的な当てはめ  6 並行輸入との関係  7 結語

第4編 特許権の救済手段

第1章 特許権侵害に対する差止請求

I 序

II 差止めの対象

1 差止めの対象の特定  2 差止めの対象となるべき範囲

III 訴えの利益

1 侵害行為がなされるおそれ  2 存続期間との関係

IV 被告適格

V その他

第2章 特許権侵害に対する損害賠償額の算定に関する裁判例の動向

I はじめに

II 特許法102条1項

1 概観  2 特許権者が販売している製品は特許発明の実施品である必要があるのか  3 権利者の実施の能力があるとされるのはどのような場合か  4 但書によって推定の覆滅が認められるのはどのような場合か

III 特許法102条2項

1 権利者が実施していることという隠れた要件について  2 推定されるべき「利益」はどのようにして算定されるのか

IV 特許法102条3項

V 特許法102条各項の関係

第3章 複数の侵害者が特許侵害製品の流通に関与した場合の損害賠償額の算定について

I 序

II 論点の抽出

III 同一の特許製品に対して異なる侵害者から賠償を受けることができるか

1 問題の所在  2 裁判例  3 消尽理論との関係  4 特許法102条1項の損害の賠償を受けた場合  5 特許法102条2項の損害の賠償を受けた場合  6 特許法102条3項の損害の賠償を受けた場合  7 重複分の取扱いについて

IV 各侵害者が全額について連帯責任を負うのはどのような場合か

1 問題の所在  2 裁判例  3 検討

V 結論

第5編 職務発明制度

第1章 職務発明制度のあり方−−市場と法の役割分担の視点からの検討

I はじめに

II 従業員に補償金請求権が認められる根拠

1 日本の職務発明制度の概観  2 特許制度の趣旨  3 特許を受ける権利を従業員に帰属させたうえで使用者に予告承継を認める趣旨  4 従業員に補償金請求権を付与する趣旨

III 相当の対価を定める条項の有効性の要件(特許法35条4項)

1 交渉過程と裁判所の介入  2 具体的な解釈論

IV 相当な対価の額の算定のあり方(特許法35条5項)

1 仮想市場の想定  2 資産効果  3 具体的な解釈論

V 相当の対価の法的性質論

第2章 青色発光ダイオード事件控訴審和解勧告について−−職務発明に対する補償金額の算定のあり方

I はじめに

II 減額の理由

III 特許法35条の趣旨について

IV 発明者に帰属すべき割合について

V その他の問題

第3章 包括的クロス・ライセンスと職務発明の補償金額の算定

I はじめに

II 裁判例

III 企業が包括的クロス・ライセンスから得る利益に関する誤った考え方について

IV 包括的クロス・ライセンスにかかる職務発明の相当な対価に関する誤った考え方について

V 三つの作業過程

VI 使用者が包括的クロス・ライセンスから受ける利益を算定する基準について

VII 使用者が受ける利益を個別の職務発明に対して割りつける作業について

VIII 個別の職務発明について従業者に支払うべき相当な対価を算定する基準について

IX 算定の単純化

第4章 職務発明に関する抵触法上の課題

I 序

II 知的財産法における属地主義の根拠

III 職務発明と準拠法

IV カード式リーダー事件最判との関係

更新日 2013.11.27