
「どこへ行く日本の民主主義 Part1
ミレニアム総選挙を斬る」
7月11日夜、クラーク会館大講堂において、田中秀征、石川真澄両氏をパネリストに招いて、当センター主催による公開シンポジウム「どこへ行く日本の民主主義 part
1」が開催された(コーディネーターは山口センター長)。6月25日に行われた総選挙の結果を分析し、今後の日本政治の行方を展望するというテーマのもとで、活発な議論が行われた。 石川氏は選挙の結果について、小選挙区比例代表並立制という制度、特に小選挙区制が自公保三党の安定多数をもたらしたことを強調した。民意を反映した政治を作り出すためには、選挙制度の改革が不可欠であると主張した。また、田中氏は今回の選挙では争点があいまいになり、選挙の後にも政治の勢いや変化がまったく見られないというところに大きな特徴があると指摘した。山口センター長は、選挙の不毛さについて両氏の見解に同意しながらも、森首相の発言に対する反発、民主党が提起した「苦い薬」への一定のまじめな反応など、今までの選挙にはない前向きの要素も見られると指摘した。 シンポジウムの後半では、21世紀の日本政治の行方について現実的なシナリオとあるべき姿の両面から議論が行われた。石川氏は、来年の参議院選挙が極めて大きな意味を持つと位置付け、今回の総選挙で現れたような民意の動きは続くだろうと予測した。そして、そのことが憲法問題に関する日本政治の暴走に歯止めをかけるポイントになると指摘した。しかし、他方で今後の政党政治が自民−民主という二大政党制に収斂していく可能性については悲観的で、むしろ五五年体制の焼き直しに終わる可能性があることを示唆した。田中氏は、差し迫った構造改革を実行する政治主体は既存の政界にはなく、外側から櫓を組むことの必要性を力説した。また、山口センター長は90年代における虚構の改革の失敗を繰り返さないようにすることが重要であることを指摘した。 会場には250名ほどの聴衆が集まり、熱心に質問を寄せ、議論を盛り上げた。なお、このシンポジウムの記録は、2000年10月岩波書店からブックレットとして出版された。

「アメリカ知的財産法の最新動向 」
7月27日午後13時30分から、北大法学研究科大会議室において、シンポジウム「アメリカ知的財産法の最新動向」が開催された。特許侵害訴訟における無効の抗弁の取扱いについて松本直樹弁護士、ビジネス・モデル特許について平嶋竜太筑波大学助教授、データベースの保護について芦立順美東北大学助手(現在同助教授)、知的財産権者のライセンス拒絶と独占禁止法について和久井理子大阪市立大学助教授から報告がなされた後、田村善之北大教授の司会の下、根岸哲神戸大学教授も議論に加わり、予定時間(4時間)をはるかにオーヴァーし、19時近くまで活発な討論が行われた。
パネリストは、それぞれのテーマについて本格的な論文を発表したり、用意している新進気鋭の実務家と学者達であるところ、それぞれの報告では、論文には書かれていないい野心的な視点が打ち出されることもあり、議論を誘発したということができる。くわえて、知的財産法学の分野は、実務との交流が欠かせないところ、今回のシンポジウムの参加者には、パネリスト以外にも、弁理士、弁護士など実務家がおり、相互に有益な情報の交換をなすことができた。今回のシンポジウムを契機に、通常はなかなか一同に会することができないパネリスト相互の間で、インタラクティヴなやりとりをなすことができたことも、シンポジウムの一つの成果ということができよう。

「どこへ行く日本の民主主義 Part2
自民党に明日はあるか」
10月13日、クラーク会館大講堂で連続シンポジウム「どこへ行く日本の民主主義part2」として、中谷元、田中真紀子両代議士をゲストに招いて、「自民党に明日はあるか」を開催した。次期首相候補として国民的な人気も高い田中代議士が来学するとあって、当日は道内各地から700人ほどの聴衆が集まり、会場は立錐の余地もないほど盛況であった。両氏は基調講演の中で、現在の連立政権の中で自民党内における政策論議が沈滞し、重要な政策が十分な議論もなしに決められる状態にあることを指摘した。そして、6月の総選挙で示された民意を謙虚に受け止めたうえで、若手議員が中心になって党内の改革を進める決意を示した。
後半のパネルディスカッションでは、山口センター長が司会を務め、自民党改革派の政策理念や21世紀日本のビジョンについて質問をしながら、改革の課題と進め方について議論を行った。両氏は今までの利益誘導型政治からの決別、情報公開を進めた上で受益だけではなく、負担も含めた観点から国民と政策論議を進める意欲を示した。与党の中堅、若手政治家の生の声を聞き、政治の現状についての理解を深めるという点で、いろいろな面で収穫の多いシンポジウムだったと思う。
高等研HP シンポジウムの記録
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