ページ上に戻る ページ上に戻る

附属高等法政教育研究センター

menu

 イベント詳細

シンポジウム・研究会の記録

2000.7.11 掲載

連続シンポジウム「どこへいく日本の民主主義Part 1」 「ミレニアム総選挙を斬る」

石川真澄●桜美林大学教授
田中秀征●元経済企画庁長官

主催:高等法政教育研究センター

 

報告

7月11日夜、クラーク会館大講堂において、田中秀征、石川真澄両氏をパネリストに招いて、当センター主催による公開シンポジウム「どこへ行く日本の民主主義 part 1」が開催された(コーディネーターは山口センター長)。6月25日に行われた総選挙の結果を分析し、今後の日本政治の行方を展望するというテーマのもとで、活発な議論が行われた。 石川氏は選挙の結果について、小選挙区比例代表並立制という制度、特に小選挙区制が自公保三党の安定多数をもたらしたことを強調した。民意を反映した政治を作り出すためには、選挙制度の改革が不可欠であると主張した。また、田中氏は今回の選挙では争点があいまいになり、選挙の後にも政治の勢いや変化がまったく見られないというところに大きな特徴があると指摘した。山口センター長は、選挙の不毛さについて両氏の見解に同意しながらも、森首相の発言に対する反発、民主党が提起した「苦い薬」への一定のまじめな反応など、今までの選挙にはない前向きの要素も見られると指摘した。 シンポジウムの後半では、21世紀の日本政治の行方について現実的なシナリオとあるべき姿の両面から議論が行われた。石川氏は、来年の参議院選挙が極めて大きな意味を持つと位置付け、今回の総選挙で現れたような民意の動きは続くだろうと予測した。そして、そのことが憲法問題に関する日本政治の暴走に歯止めをかけるポイントになると指摘した。しかし、他方で今後の政党政治が自民-民主という二大政党制に収斂していく可能性については悲観的で、むしろ五五年体制の焼き直しに終わる可能性があることを示唆した。田中氏は、差し迫った構造改革を実行する政治主体は既存の政界にはなく、外側から櫓を組むことの必要性を力説した。また、山口センター長は90年代における虚構の改革の失敗を繰り返さないようにすることが重要であることを指摘した。 会場には250名ほどの聴衆が集まり、熱心に質問を寄せ、議論を盛り上げた。なお、このシンポジウムの記録は、2000年10月岩波書店からブックレットとして出版された。

感想

御三方のお話がじっくりと聞ける貴重な機会でした。“漂流する日本社会”の実感を新たにしました。(札幌市)

ミレニアムの総選挙を総括する上で、御三方の発言は大変参考になった。選挙制度の難しさをつくづく感じた。私も日本での小選挙区制度の反対論者です。(旭川市)

まことに時宜を得た話題が取り上げられ、興味がかきたてられました。お三人の話から、今後の政治の動向を観察していく上でのいくつかのヒントがいただけたと思います。(手稲区)

21世紀の日本の方向性を考える上で非常に参考になった。政治システムの変革に向けた議論の深まり、その現状と課題がわかった。(西区)

期待に沿う内容だったが、石川氏の選挙制度再改変について、もう少し具体的な提案があると面白かった。また、実現へのプロセスも不足していた。(中央区)

良くあるパネルディスカッションと違い、一回の一人の発言時間が長く聞きごたえがあった。(西区)

こういう催しを待っていました。この種の事が、もっと開かれた場でマスコミをも巻き込む形で進められたらいいなと思います。(中央区)

社会が大きく変化しているにもかかわらず、政治家の意識は相変わらず自己保身中心主義のような気がします。日本の将来が心配です。(豊平区)

田中先生をアンコールしたいです。「日本の進路論争をすべし!」に大いに共感しています。我々はあまりにこれをしてこなかった。(江別市 市職員)

民意を最大限に反映できる選挙制度についての議論は、とても貴重な提言でありました。(北区)

講師の顔ぶれが良く、わかりやすく、かつ高度な内容でした。大変勉強になりました。(東区)

現在の政治について、いくつかの新しい視点を得られて良かった。特に現在の小選挙区制度についての問題点に対する指摘は面白かった。

選挙制度改革は政治家を含めない専門委員会が良い。(北区)

もう少し、三人の深いビジョンを知りたかったように思います。それぞれアプローチの仕方は違うと思われたので。

メディアを介してではなく、直に一般市民として話を聞くことが出来て良かった。民主党も「もう一つの国会」などの試みはあるものの、官僚に十分対抗できる政権構想を具体的に提示できるようなシンクタンクが必要と思うが、何故できないのか?(赤平市)

テーマに杓子定規にとらわれず、テーマを中心としながらも各パネリストは、幅を持たせた話をしてくれたので、非常に関心を持って聞かせていただいた。コーディネーターの山口先生の進め方も、あまり強引に進行を司らなかったのが良かったのか。(白石区)

経済が右肩上がりの時代に隠されていた(多くの人々に分け前が与えられた為見えなかった)対立構造が見えてきたこと、社会の構造自体の変化(少子化、環境、情報通信)から出てくる世代間の対立、新しい時代に要求される能力を持てない人と持つ人との対立など、今の時代はどちらにしても将来に対する漠然として大きな不安が投票行動へのバネになってくるのではないかと思います。(北区)

ここで21世紀についてや今の政治批判を声に出していく姿は、とても頼もしい感じがしました。笑いのあったお二人の話もとてもよかったです。(東区)

それぞれの先生方の率直な意見が聞けて有意義でした。(北区)

今回の選挙結果の総括として本当に面白かったし良い企画だと思う。(豊平区)

分かり易く有意義。学生の出席者が少ないのは意外。不安。(豊平区)

著名なお二人をお招きし、山口先生のコーディネートでいろいろと核心にふれるお話をお聞きでき、有意義な時間を過ごすことができました。世の中、タテマエの話が多いわけですが、山口先生の言われる「批判的知性」を持って、現状に分析を加え、より良いシステムに真剣に変えていかねばならない時を迎えていると思います。(厚別区)

このようなシンポジウムがあるとは知らなかった。貴重な体験でした。(北区)