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附属高等法政教育研究センター

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 イベント詳細

シンポジウム・研究会の記録

2000.11.11 掲載

「21世紀の政策アジェンダ」

金子勝●慶應義塾大学教授
高橋哲哉●東京大学助教授

主催:高等法政教育研究センター
共催:北海道対外文化協会

 

報告

 昨年11月11日、クラーク会館大講堂において、金子勝(慶應義塾大学教授)と高橋哲哉(東京大学助教授)の両氏を招いて、当センター主催のシンポジウム「21世紀の政策アジェンダ」を開催した。金子氏はグローバリゼーションに対抗する経済理念と政策について最も精力的な議論を行う経済学者、高橋氏は日本の戦争責任の問題について戦後世代の視点から新たな地平を切り開いている哲学者である。一見無関係な二人の学者を組み合わせたのは、日本からグローバリゼーションへの対抗戦略を考える際に、「責任」と「アジアとの共生」という2つのキーワードが最も重要な意味を持つはずだという主催者の意図による。
 金子氏は、バブル崩壊以後の政治、行政、経済の無責任が今日の混迷をもたらしたことを批判した上で、前の世代の責任を問う若い世代の運動を通して政策転換を図るべきだと指摘した。そして、新たな政策理念の軸として、世代や国境を越えたリスクのシェアという考えを提示した。また、高橋氏は戦争責任や植民地支配に対する責任について新たなグローバル・スタンダードが生まれてきたことを指摘した。両者の対話の中から、過去に対する責任を果たすことが、経済的な意味でも世界の中で生きていくための必要条件となりつつあることが浮かび上がった。権力犯罪を行った指導者に対して責任を問うことが若い世代の責任であるというメッセージは重要な意味を含んでいる。なお、このシンポジウムの記録は岩波書店からブックレットとして3月に刊行される予定。

 

感想

高橋さんがおっしゃった、東アジアの国々の人々の、日本に対する不信感を払拭する為には、民間レベルで交流をどんどんすることだという話に共感しました。朱鞠内における韓国人の強制連行の跡を掘り起こす運動を、韓国の若者、在日の若者、日本の若者が一緒になってやっているそうです。日本が行った事実をきちんと見ながら若者たちは連帯の気持ちを深めているそうです。そんな取り組みが、今本当に必要なのだと思います。

論点、主張が明確で分かり易く充実した時間を過ごせた。

とても有意義な時間を過ごせました。大学3年の時から「公共性」の勉強をして、現在大学4年になるのですが、国家とナショナリズムの話は興味深かったです。(南区)

我が国のその道の第一人者の先生をお招きしてのシンポということで、今回も有意義なものだったと思います。このように一般市民を対象としたシンポは素晴らしいですね。北大OBとして嬉しく思います。欲を言えばマスコミ等を通じて、もっともっとシンポの開催のアナウンスをしてはどうかと感じました。(厚別区)

金子さんの世代交代の論点は、様々な著書でひしひしと伝わってきました。30代の私たちはごく少数ですが、金子さんの考え方に共鳴できる人たちがいると思います。問題はその人たちにどうやって行動させる為の火をつけるか。着火剤が見当たらない事だと思います。世代交代をドラスティックに成し遂げるために必要なものは何か考えたいと思います。(釧路市)

とても面白く参加してよかったと思います。金子さんの経済の面から切り込んだ戦争責任の考え方はなるほどと思いましたが、高橋さんの提起もよく分かりました。今、授業で歴史を扱っているのですが、その基本的なスタンスとして、とても参考になりました。(滝川市)

非常に今の世の中が直面している問題だと実感しました。これらの問題を自分自身の中で問いかけて、また身近な問題として捉えるべきだと思いました。(西区)

社会に生起する事件・問題について、問題の所在自体すら明確にできない現況にあって、21世紀に対して希望を持てるような視点設定と議論はとても有益でした。戦争責任というぼやかされた問題、実は日本社会の同調性という根幹の欠点を内包しており、この点の解決ないしは解決の努力が、日本をして21世紀でアジアのリーダーかつ国内にあっては個々の国民の人格的実存につながるのですね。とても参考になりました。(南区)

いろいろな専門分野の視点からの意見で多角的に思考する事ができた。内容も充実しており、時勢を的確に捉えていたと思う。ただ、全く考えの違う人(戦争責任を清算する必要は無いと考える人など)を迎えての議論を聞いてみたかった気もする。今日は今後の日本を考える機会を与えていただき、ありがとうございました。(北区)

「高等法政研」にふさわしい内容、水準であり良かった。特に解りやすいこと、かつ三人の熱意が私たちに伝わりました。(北区)

金子先生の団塊の世代より上の世代は食い逃げ世代だという発言は、上の世代の方には耳の痛い話だとは思いますが、僕は正直言って共感できました。日本の赤字国債は国と地方を合わせて645兆円もあるにも関わらず、主に今の日本の中核を担っている団塊の世代以上の人々は、何も社会を変えようとせず、日本の危機を見てみぬ振りをしている。これからは、言うべきことは、若くて力が無いと思わずにどんどん言う機会を増やしていかなければならないと、今回のシンポジウムで思いました。(白石区)

普段の環境の中では、なかなか触れることができない議論に触れることができ有益であった。特に経済・哲学の専門家が同じ課題についてそれぞれの視点から発言されていた所が興味深い。戦争責任にせよ、財政赤字にせよ、重大な問題に対しての責任(けじめ)を明確にしなければならないと痛感した。(大学生)