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附属高等法政教育研究センター

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平成20年度 先進諸国(G8)の緊急課題


平成20年度法学研究科公開講座 先進諸国(G8)の緊急課題 洞爺湖サミットの夏に

主催/北海道大学大学院法学研究科/附属高等法政教育研究センター
後援/札幌市教育委員会
(道民カレッジ連携講座「教養コース」)

 平成20年7月に北海道洞爺湖において開催される首脳会議が近づいてきました。この会議では、地球温暖化などの環境問題を中心に、途上国の開発問題、テロリズムへの対処の問題、グローバル経済の拡大と調整をめぐる課題など、先進諸国が緊急に対応するべき数多くの問題が協議されます。

 北海道大学法学部および附属高等法政教育研究センターでは、この洞爺湖サミットの夏に、例年どおり公開講座を開催いたします。この公開講座では、サミットに参加する先進諸国(G8)が直面する主要な問題をとりあげて、市民の皆さんと共に考えていきたいと思います。具体的には、環境政策および環境政策をめぐる国際協調、テロリズム、EUと先進国政治、先進国と途上国の間での調整が急務の知的財産権問題をとりあげ、最先端の研究をおこなっている専門の先生方が、分かりやすくお話をします。

 洞爺湖サミットで世界の注目が集まる北海道、札幌のキャンパスから、大きく世界に目を配りながら、先進諸国と日本の課題を考えてみませんか。多くの市民の皆様のご参加をお待ちしております。

北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター長
宮本太郎

「テロリズムの時代とG8諸国」

講師:北海道大学公共政策大学院・教授 中村研一

 2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以降、総選挙直前のスペインのマドリッドでは同時列車爆破テロ事件が、またG8サミット開催中の英国ではロンドン地下鉄とバスを襲った同時爆弾事件が生じるなど、テロリズムが国際政治の重大な争点となっている。

 ここでは、いかにしてテロリズムを封じ込め、また、事前にテロ組織の能力を叩くカウンター・テロリズムが政策上の焦点となり、G8サミットにおいても、重要議題の一つとなっている。

 そのなかで米ブッシュ政権は、「テロとの戦争」を掲げ、アフガニスタンとイラクとに対し戦争による政権打倒を行ったが、その両国ではテロリズムなど武力紛争が止むことなく、流血の泥沼が続いている。

 このテロリズムとカウンター・テロリズムという二つの暴力行使の間で、多くの人々が挟み打ち状態になっている。またこの両者は、秘密裏の諜報と防諜の戦いであるため、人々の自由が侵食される状態も生じてきた。

 そこで以下では、こうしたテロリズムとカウンター・テロリズムの要因を分析し、そこから脱却する政治的方途を検討することにしたい。

「EUの戦略、フランスの戦術-政治的革新の中で」

講師:北海道大学公共政策大学院・准教授 吉田徹

 北海道で開催されることになるG8サミット参加国中、半数はヨーロッパの国々からなっています。サミットには加えて欧州委員会委員長もEUの代表として参加もします。いわば、ヨーロッパの国々は「複数からなるグローバル・パワー」との地位を獲得するようになりました。また近年では、日本でも注目されるように環境問題について「アジェンダ・セッター」と「スタンダード・メーカー」として、国際社会をリードするようにもなりました。

 このようなヨーロッパ=EUは、一朝一夕にして出来上がったのではなく、約半世紀に渡る政治的革新を伴う不断の努力の賜物だったという点が肝心です。まさに「ローマは1日にして成らず」。もっとも最近では、冷戦終焉に伴う構造変化、EUの地理的拡大、2005年の欧州憲法条約の「失敗」、アイデンティティと地域統合の目的の喪失など、多くの課題を抱えるようにもなりました。

 本講座では、欧州統合とEUの基本的な戦略的構造を確認するとともに、平成20年下期の議長国となるサルコジ大統領のフランスに焦点を当てて、グローバルな国際社会の中でEUが果たしている、あるいは果たしうる役割を解明してみたいと思います。

「ドイツ環境政策の先進性と後進性」

講師:北海道大学大学院法学研究科・教授 山下龍一

 ドイツは、美しい街並みで有名ですし、ゴミのリサイクルでは日本のモデルの一つとされています。また、2000年にはドイツ政府と電力会社が脱原発を合意し、現在、再生エネルギーへの転換をすすめ、いたるところで風力発電を行うなど大胆な政策転換も行っています。ドイツが環境先進国であることについてはほぼ異論はありません。1994年に、憲法で環境保護を国家目的に加えた点にもその意気込みが表れています。しかし、他方で、ドイツは昔から環境保護に熱心であったわけではありませんし、環境アセスメントや情報公開の導入については、他の先進国と比べるとあまり熱心には見えません。

 そこで、本講座では、ドイツの環境政策の進んだ面と遅れた面をできるだけ具体的に示し、なぜそのようになっているかを法律や政治の面から考えてみたいと思います。

「グローバル化社会における先進国と途上国の関係のあり方

~知的財産権の観点から~」
講師:北海道大学大学院法学研究科附属高等法政策教育研究センター・准教授 吉田広志

 近年、知的財産権はずいぶんと市民社会に身近な権利になりました。これは、市民の権利意識が向上したことや、政府の知的財産権強化政策とともに、グローバル化の進展による知的財産の世界化が進んだことが理由に挙げられます。知的財産という形のない物、つまり無形物は、もともと国と国や市民と企業の間に存在するボーダー(境界)に遮られにくいといった性質を持っており、グローバル化による影響を被りやすい権利です。

 知的財産権が強化され、また身近になるにつれ、自らの知的財産権が他人に侵害されてしまうといった問題が世界規模で引き起こされています。他方で、個々の市民の「ちょっとした行動」が、思わぬ形で他人の知的財産権を侵害してしまう、といった事態も生じています。

 この講座では、「知的財産権の強化」「知的財産権のグローバル化」は、われわれ市民になにをもたらしているのかについて、考えてみたいと思います。

「地球環境の保護と「共通だが差異のある責任」」

講師:北海道大学公共政策大学院・准教授 堀口健夫

 地球温暖化や海洋汚染の防止、生物多様性の保護など、今日では地球環境の保護を目的として様々な国際条約が締結されてきています。そしてこれらの地球環境条約の1つの特色は、「共通だが差異のある責任」の原則を採用している点にあります。この原則は、地球環境問題への取組みが全ての国の責務であることを確認すると 同時に、具体的な負担配分においては先進国と発展途上国の間で差異を設けるべきであるとするものです。このような指針が認められるようになったのはなぜでしょうか。また環境問題への国際的な取組みにおいて、この原則はいかに具体化されているのでしょうか。本講義では、環境保護の実現においてこの原則がもつ意義と論点について検討を加え、そのことを通じて、我が国も含めた先進諸国が今日直面している課題の一端を明らかにしていきたいと考えています。

開催概要

1. 開講日程(時間:午後6時30分~午後8時30分)

第1回 平成20年7月17日(木) テロリズムの時代とG8諸国
北海道大学公共政策大学院 教授 中村研一

第2回 平成20年7月24日(木) EUの戦略、フランスの戦術 -政治的革新の中で
北海道大学公共政策大学院 准教授 吉田徹

第3回 平成20年7月31日(木) ドイツ環境政策の先進性と後進性
北海道大学大学院法学研究科 教授 山下龍一

第4回 平成20年8月7日(木) グローバル化社会における先進国と途上国の関係のあり方 ~知的財産権の観点から~
北海道大学大学院法学研究科 附属高等法政教育研究センター 准教授 吉田広志

第5回 平成20年8月21日(木) 地球環境の保護と「共通だが差異のある責任」
北海道大学公共政策大学院 准教授 堀口健夫

2. 実施会場

北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟 W301室
(札幌市北区北9条西7丁目)

3. 受講資格

満18歳以上の方であればどなたでも受講できます。

4. 定員

50名

5. 申込要領

(ア)申込期間

平成20年6月23日(月)から平成20年7月11日(金)まで(土曜日・日曜日及ぴ祝日を除く)午前9時から午後5時15分
なお、受講者数に限りがありますので、申込期間内であっても定員に達した場合には申込を締切る場合があります。

(イ)申込場所

札幌市北区北9条西7丁目
北海道大学法学研究科・法学部(庶務担当)

(ウ)申込方法

受講申込書(コピー可)に必要事項を記入のうえ、直接または郵送にてお申し込みください。
(受講者証は所定の振込用紙のE票(郵便振替払込受付証明書・北海道大学受付証明書)と引換えに公開講座初日にお渡しします。)

6. 受講料

(ア)金額

3,500円

(イ)納付方法

受講申込後に郵送します所定の振込用紙ご利用の上、銀行または郵便局によりお振込み願います。お振込みは必ず窓口で行い、E票を受領してください。(E票は公開講座初日に受講者証と引換えいたしますので、ATM(現金自動預払機)は利用しないでください)
なお、納入した受講料はお返しできません。

7. 修了証書

4回以上受講した方には、修了証書を授与します。

8. その他

(ア)この講座に関するお問い合わせ先

北海道大学法学研究科・法学部(庶務担当)
〒060-0809 札幌市北区北9条西7丁目 電話011-706-3119(直通)

(イ)申込場所

申込場所および実施会場の略図は別図のとおりです。(車での来学はご遠慮願います)

(ウ)備考

道民カレッジに入学されている方で、本講座を受講し、修了証書の交付を受けた方は、道民カレッジの単位を取得することができます。(本講座:10単位)

●申込場所及び実施会場案内図

申込場所・実施会場
地下鉄南北線「北12条駅」下車徒歩10分(約600m)
中央バス「北大正門前」下車徒歩5分(約300m)
JR札幌駅「北口」より徒歩13分(約800m)
※車での来学はご遠慮願います。

更新日 2016.04.12