(共催)「女性研究者のワーク・ライフ・バランス」研究会 第二回研究会「中国清代における親族間扶養と国家法」


イベント詳細

  • 日付:

  • 日時:2023年8月5日(土)11:00~12:30 
  • 場所:北海道大学札幌キャンパス法学部棟315センター会議室
    〒060-0809 北海道札幌市北区北9条西7丁目
  • 講演:「中国清代における親族間扶養と国家法」
    赤城 美恵子 氏(中央大学法科大学院教授)
  • 関連文献
    • 「条例「子貧不能営生養贍其父、因致自縊死、子依過失殺父律、杖一百流三千里」について:比照事例の紹介」
      (東洋法制史研究会通信33、2019)
    • 「大正刑事訴訟法における「存留養親」条項導入について」
      (中央ロー・ジャーナル19-1、2022)
企画趣旨

現代中国社会では伝統的な家族主義の価値観が維持されている。女性の労働参加率は高いが、男女間の賃金格差やキャリアの制約などの問題を抱えながら職場とケア労働の両立を求められている。赤城美恵子氏の講演「中国清代における親族間扶養と国家法」(仮)は、こうした現代的な課題を踏まえて、中国社会における親族間のケアを法制史の視座から評価する。すなわち、前近代中国において家は「同居共財」で過ごす範囲と捉えられており、そこでは支出・消費・資産の保持の面で会計が共有される。したがって、自明のこととして、労働力として期待されない年少者や老親の生活もまた共同会計の中で保障されることとなる。これは民衆側の認識であるとともに、国家側もまたそれを前提にして、それを維持するべく法秩序を形成した。本報告とそれに続く議論においては、清朝時代の国家法の適用事例の整理を通じて、家族主義をとる前近代中国社会における扶養のあり方について具体像を明らかにする。

(研究会代表者:専修大学 大西 楠 テア)


主催:「女性研究者のワーク・ライフ・バランス」研究会
共催:北海道大学法学研究科附属高等法政教育研究センター