司法試験合格発表に際して法科大学院長からのメッセージ

皆さん、司法試験合格おめでとうございます。

法曹を目指すと決意してから司法試験合格まで、長い間いくつものハードルを越えて、この日を迎えられたことと思います。その間、目標に向けて大変な努力をされてきたことでしょう。その努力が実を結んだこと、心より嬉しく思います。

ただし、司法試験に合格することは、法曹として活躍するための第一歩に過ぎません。北海道大学法科大学院は、様々な社会領域の要請に応えることのできる,高度な専門性と幅広い視野,そして人権感覚と倫理性を身につけた法曹の養成を目標にしていますが、皆さんはこれからこれまでの学修により身につけた力を現実の社会の中で発揮していくというステージに立ちます。法曹が活躍する領域は様々ですが、その色々な領域において、皆さんが心に描く法曹像を実現し、維持していくためには、さらに研鑽を積み重ねていくことが必要です。

しかし、これまでと変わらず、目標に向けて一歩ずつ進んでいけば、必ず目指す法曹像を実現することができることと思います。今後の活躍を大いに期待しています。

 

今日、合格に至らなかった皆さんには、非常につらい結果だと思います。

試験ですから当然不合格になる人も出てくるわけですが、合格するにはあと一歩何かが足りなかったということかと思います。しかし、人生でうまくいかないことがあるのは珍しいことではありませんから、そこから新たに進むことが重要です。そのためには、まず、何が足りなかったかを見つめ直すことが大切です。そのうえで、心を新たにして、勇気をもって、また一歩踏み出してもらえればと思います。

新たなチャレンジが実を結ぶことを期待しています。

 

2017年9月12日

北海道大学法科大学院長  山本 哲生