講演会 「足利事件-DNA鑑定と自白」

佐藤博史●弁護士
菅家利和
会場:北海道大学文系共同講義棟(軍艦講堂)8番教室
時間:16:30~18:30
共催:北海道大学法科大学院

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報告

 センターと法科大学院の共催で、7月17日(金曜日)に、DNA 鑑定をめぐる冤罪事件として著名な足利事件の主任弁護人佐藤博史弁護士と犯人とされた菅家利和さんご本人をお招きし、白取祐司教授の司会で、講演会が開催された。8番教室は定員をはるかに超え、400人程の学生が熱心に聴き入った。
 最初に佐藤弁護士が、菅家さん直筆の手紙や実況見分の様子を写した写真などをスライドで示しながら、事件の経緯と刑事裁判の病根を鋭く指摘した。続いて菅家さんが演壇に立ち、自白を強いられた当時の取調状況を生々しく語り、捜査官や裁判所への怒りを示すとともに、「取調の可視化」の必要性を訴えた。
 裁判員制度が施行された今日、冤罪事件のもつ恐ろしさは決して他人事ではなくなった。法曹を目指す法科大学院生・法学部生だけでなく、社会の諸問題に深い関心を抱く学生にとっても、わが国の司法制度の在り方を考える上で有意義な機会となった。

20090717

長井 長信