韓国法学専門大学院協議会一行が法科大学院を視察

訪問団一行と本学法科大学院教員

訪問団一行と本学法科大学院教員

 

 韓国の法学専門大学院(日本の法科大学院に当たる)から構成される法学専門大学院協議会の一行が,8月22日(月)に法科大学院(法学研究科法律実務専攻)を訪問され,意見交換が行われました。法学専門大学院は,韓国全土に25校設置されていますが,今回の訪問団は,同協議会の李炯珪理事長(漢陽大学・法学専門大学院長)をはじめとする15校の法学専門職大学院の院長と同協議会の事務局長及び担当課長の17名から成る大規模なものでした。コーディネーターは,白英準韓国未来創造科学部局長(法学研究科客員研究員)と丁文杰助教(法学研究科)が務め,また通訳は丁助教が担当しました。

意見交換の様子

意見交換の様子

 

 当日は,長谷川法学研究科長と李理事長の挨拶の後,法学研究科の小名木教授(前法科大学院長)の司会のもと,佐々木教授(法科大学院教務委員長)から北大法科大学院の概要の紹介がされ,また北大法科大学院が特に力を入れている知的財産法教育について,担当教員である田村教授から説明がされました。そして,事前に同協議会から提起されていた質問事項について池田教授(元法科大学院長)から回答がされた後,インテンシィブな議論がされました。テーマは,教育方法はもとより,法科大学院の財政状況にも及ぶ多面的なもので,当初予定していた時間を大幅に超過しました。意見交換の後は,法廷教室や図書室などの施設見学も実施されました。大規模な訪問団であるだけに,タイトなスケジュールでありましたが,充実した内容に,李理事長からは謝辞が述べられました。

李理事長からの謝辞

李理事長からの謝辞

訪問団から記念品の贈呈(李理事長(左),長谷川法学研究科長(右))

訪問団から記念品の贈呈(李理事長(左),長谷川法学研究科長(右))

 

 韓国の法学専門大学院制度は,2009(平成21)年に発足したもので,日本の法科大学院とは異なり,教育期間はすべて3年,25校の学生定員の総計は1学年で約2000名です。設置後,すでに6年以上経過しているため,日本の法科大学院と同様,かなりの教育経験が蓄積されており,本学の法科大学院としても,現場の「生の声」を聞くことができる貴重な機会となりました。

 経済のグローバル化が進捗する中,リーガルサービスは社会的なインフラとして,ますますその重要性を増しつつあり,リーガルサービスを担う人材の育成は中心的な課題となっています。法曹養成制度の細部については,日韓では若干の相違点があるものの,大綱においては共通する部分が多く,そのこともあって,議論は活発,かつ,極めて有意義なものとなりました。