シンポジウム「アメリカ知的財産法の最新動向」

松本直樹●弁護士
平嶋竜太●筑波大学助教授
和久井理子●大阪市立大学助教授
ほか

主催:高等法政教育研究センター

報告

7月27日午後13時30分から、北大法学研究科大会議室において、シンポジウム「アメリカ知的財産法の最新動向」が開催された。特許侵害訴訟における無効の抗弁の取扱いについて松本直樹弁護士、ビジネス・モデル特許について平嶋竜太筑波大学助教授、データベースの保護について芦立順美東北大学助手(現在同助教授)、知的財産権者のライセンス拒絶と独占禁止法について和久井理子大阪市立大学助教授から報告がなされた後、田村善之北大教授の司会の下、根岸哲神戸大学教授も議論に加わり、予定時間(4時間)をはるかにオーヴァーし、19時近くまで活発な討論が行われた。

パネリストは、それぞれのテーマについて本格的な論文を発表したり、用意している新進気鋭の実務家と学者達であるところ、それぞれの報告では、論文には書かれていないい野心的な視点が打ち出されることもあり、議論を誘発したということができる。くわえて、知的財産法学の分野は、実務との交流が欠かせないところ、今回のシンポジウムの参加者には、パネリスト以外にも、弁理士、弁護士など実務家がおり、相互に有益な情報の交換をなすことができた。今回のシンポジウムを契機に、通常はなかなか一同に会することができないパネリスト相互の間で、インタラクティヴなやりとりをなすことができたことも、シンポジウムの一つの成果ということができよう。