公開シンポジウム「地方からの価値観転換」

ガバナンスシンポジウム・シリーズ
「自治体改革の検証」Part3

「地方からの価値観転換」

住民参加の予算編成をはじめ「県庁と県民の一体化」を軸に、
積極的に政策と県庁組織の改革に取り組んできた橋本大二郎高知県知事をお招きし、
地方自立に向けた価値観の転換とは何か、その具体的な取り組みをパネルディスカッションを
通じて探ります。そして、住民と共に一体化して価値観の転換に邁進する地方自治体の
あるべき姿とは何かも議論します。
 

パネリスト/
 
 橋本大二郎●高知県知事
  山口二郎●高等研センター長

コーディネーター/
  宮脇 淳●北海道大学教授

kouchiken (1) ●橋本大二郎 HASHIMOTO DAIJIRO
1947年生まれ。72年慶応義塾大学法学部卒業。同年、日本放送協会に入局し、福岡放送局・大阪放送局・報道局社会部に記者として勤務。91年報道局科学文化部次長にて退局し、同年12月高知県知事に。
現在3期目を務める。著書に「破天荒、大二郎がゆく」(講談社)、 「政治家無用論」(講談社)、「知事―地方から日本が変わる」(平凡社新書)等。

日  時: 2003年2月4日(火)13:00~15:00 (開場12:30)
会  場: 京王プラザホテル地下1階 プラザホール
       札幌市北区北5条西7丁目
問合せ: 北海道大学法学部   電話 011-706-3119

主催/北海道大学高等法政教育研究センター ●共催/日本政策投資銀行・日本経済研究所

※入場無料、参加ご希望の方は直接会場へお越し下さい。

 

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報告

 2月4日、草の根選挙の実践者であり、住民参加の予算編成をはじめ「県庁と県民の一体化」を軸に、積極的に政策の見直しと行政組織の改革に取り組んできた橋本大二郎高知県知事を招き、「地方からの価値観転換」についての山口センター長、宮脇による鼎談を開催した。

 冒頭、橋本知事による過去10年間の総括の中では、高知県の知事選において自ら展開した草の根選挙の実態と長野県等地方に加え国政選挙にも広がっていった草の根、無党派の考え方に対する思いが語られた。また、小泉内閣の国と地方の関係に対する政策に関して「二重構造のねじれ」があるとの問題指摘がされた。

 こうした提起に対して、山口センター長から「均衡ある国土の発展政策」が問題の源泉であり、「二重構造のねじれ」の指摘の重要性が述べられた。橋本知事が就任以来もっとも重要な柱としてきた「県民参加の県政」についても、その成果が実りはじめ、県民の県政に対する関心と参加が高まっていること、議会も県民の声を聞き政策議論を展開する姿勢が強まりつつあることなどが紹介された。

 このほか、高知県が直面している本四架橋や高速道路問題、経済特区政策に潜む中央集権化問題、高知県で発生したヤミ融資事件に対する知事の考え等が述べられた。そして、地域の自律に向けた住民投票制度の重要性と限界、森林環境税導入に関する考え方等自ら生み出す自治に対する鼎談を展開した。

(宮脇 淳)