シンポジウム 「今、〈自由からの逃走〉を問うのはなぜか ―北海道新聞特集記事を契機に―」

今、〈自由からの逃走〉を問うのはなぜか
―北海道新聞特集記事を契機に―

 2006年夏、8月15日からほぼ1ヶ月間、北海道新聞では「<自由からの逃走 2006>」と題する特集記事を15回にわたって連載し、現代日本社会における自由の有り様について、日本有数の知識人たちの鋭い診断や提言を私たちに示してくれました。そこでは、現代日本における自由の喪失の状況が多角的に分析され、特に、表現や報道の自由への規制強化、他者の自由への配慮の減退、付和雷同的な心性の拡大など、現代日本の社会で起こっている変化に警鐘が鳴らされています。
 現代日本社会における自由の喪失や社会的閉塞感はなぜこのように広まってしまっているのか、その一方でなぜそこでは多くの人が抵抗も感ぜずにいられるのか、この先、日本における自由はどうなってゆくのか――法学、政治学、そして一般に社会科学に関心のある人であれば誰でも問わずにはいられない根本問題が、今、私たちの目の前に突きつけられているように思われます。そして、北海道新聞の際立った特集記事は、まさにそれをより可視的な形で私たちに示してくれたのではないでしょうか。

 そこで、高等研センターでは、この特集記事を企画した北海道新聞文化部次長である池野敦志氏をお招きして、この企画の経緯やねらい、編集過程、そして反響などを改めて省みていただくと共に、日本社会を覆っている政治変容について批判的論陣を張り続けておられる北大公共政策大学院の山口二郎教授にも加わっていただき、現代日本における自由の問題の諸相やマスメディアの役割などについて、皆さんと共に考えてみたいと思います。どなたでも入場自由(無料)です。ぜひお越しください。

 
日   時:2007年1月17日(水) 18:00~20:00
場   所: 北海道大学 人文社会科学総合教育棟(W棟)2階 W203教室

◆ ゲスト
 池野敦志●北海道新聞文化部・次長
 山口二郎●北大公共政策大学院・教授
◆ コーディネーター
 長谷川晃●高等法政教育研究センター長

●主催:北海道大学大学院法学研究科 附属高等法政教育研究センター
●お問合せ先
 北海道大学法学研究科附属高等法政教育研究センター
 電話 011-706-3309