講演会 「今、女性の目から法に求めるもの ―NPOでの経験をもとに―」

今、女性の目から法に求めるもの
―NPO<女のスペース・おん>での経験をもとに―

 男女雇用機会均等法や男女共同社会参画基本法、あるいはDV法などの法整備が少しずつ進められている一方で、法制度の理想とは裏腹に現実には女性に対する様々な差別やハラスメント、そして暴力が
 止むことなく続いている現代の日本社会。この理想と現実のギャップをどのように埋めてゆけるのかということは、現代の法学や政治学にとって、単にフェミニズムの立場に与するか否かといったことを超えて、認識を広め、熟慮を深め、そして実行を進めるべき問題です。そしてそれは、私たちが市民として生活してゆくに際しても、あるいは将来法曹や公共政策に携わることを目ざすに際しても、想像力と共感を持って受けとめてゆくべきことでもあるでしょう。ここでは女性には差別やハラスメントに負けない勇気が求められると同時に、男性には反省と自覚に基づいた女性への敬意が求められており、そしてまたそれらの営みを支え方向づける適正な制度の拡充も求められています。そしてまた、この意味では、法学や政治学を学び知ることは、単に知識を身につけることではなく、社会に起こっている問題をよく理解し、法学や政治学がそれらにどのように対応してゆけるのかを主体的に考え、そしてそれぞれの置かれた立場において可能な行動に結びつけてゆくことでもあるはずです。
 NPO法人<女のスペース・おん>は、女性差別や女性への暴力の現実の直中で、個別の様々なケースへの対応や援助ばかりでなく、女性のための法制度や政策のあるべき姿を公に訴えながら、これまで多くの実績を積み重ねてきた日本有数の民間の女性支援団体です。今回は長年この団体の代表として活動をリードして来られた近藤恵子さんに<おん>での経験を踏まえたお話を伺いながら、問題の現場から何が今法に求められているのか、私たち法学や政治学を学ぶ者はそれをどう受けとめるのか、一緒に考えてみたいと思います。どなたでも参加自由(無料)です。ぜひお越しください。
 
日    時:2007年06月22日(金) 18:00~20:00
場    所: 北大人文社会科学総合教育研究棟(W棟)2階 W203教室

◆ 講師
  近藤恵子 ●NPO法人女のスペースおん・代表理事
◆ 司会
  長谷川晃 ●高等法政教育研究センター長

●主催:北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター
●お問合せ先
 北大法学研究科附属高等法政教育研究センター
 電話 011-706-4005