講演会 「生きさせろ!―若者の声から格差社会の法と政治を考える―」

生きさせろ!
―若者の声から格差社会の法と政治を考える―

 1990年代後半から始まったと言われる日本の格差社会への変化。小泉政権の6年間を経て今や様々な格差が社会に広がっていることが実感されています。特に市場経済における「勝ち組」と「負け組」との対照がマスメディアでも賛否両論に亘って取り上げられる昨今、中でも深刻な問題として注視されているのは若年層における雇用・労働環境の悪化であり、それに随伴している若者たちの自由喪失感や社会的閉塞感であると言えるでしょう。これからの日本社会を担うべき人たちの少なからぬ数が否応なく置かれてしまっているこのような状況を、現代の法や政治はどのように捉え、対処してゆけばよいのでしょうか。社会の基底において起こっているこのような変化は、法学、政治学、そして一般に社会科学に関心のある人であれば決して忘れてはならない、世代や時間をめぐる人間的・社会的資源の保障に関わる根本問題を示しているように思われます。
 高等研センターでは、今回の講演会を皮切りに、今年度は<格差社会の諸相を考える>というテーマを立て、北大法学研究科の様々な研究プロジェクトとも連携しつつ格差の問題をめぐる法や政治の構えを再考してゆきます。その第一弾として、今回は、ご自身が様々な生の苦悶や挫折の経験に耐え、くぐり抜けながら、近年「生きさせろ!」などの著書を通じて、故なき格差の圧力に苦しむ若者の声をつかむべく活動されている作家の雨宮処凛さん(北海道出身)をお迎えし、友人でもある本学公共政策大学院の中島岳志先生との対論形式で、格差社会の現場から皆さんと共に考えてみたいと思います。どなたでも入場自由(無料)です。ぜひお越しください。
 
日    時:2007年07月06日(金) 18:00~20:00
場    所: 北大人文社会科学総合教育研究棟(W棟)2階 W203教室

◆ ゲスト
  雨宮処凛●作家
  中島岳志●北大公共政策大学院・准教授
◆ 司会
  長谷川晃 ●高等法政教育研究センター長

●主催:北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター
●お問合せ先
 北大法学研究科附属高等法政教育研究センター
 電話 011-706-4005