講演会 「〈労働ダンピング〉を考える―弁護士の眼から見る格差社会の現場―」

〈労働ダンピング〉を考える
―弁護士の眼から見る格差社会の現場―

 男女雇用機会均等法の一方で労働者派遣法も制定された1980年代後半以降、労働の現場では雇用の流動化がいっそう促進され、特に女性を中心にパート化や派遣労働化が進行しています。そしてその背景には、現代日本社会における「構造改革」や市場化の流れ、そしてグローバリゼーションがあることは言うまでもありません。このような労働環境の激変の中で労働の現場には今いったいどのような問題が起こっているのでしょうか。それは人間にとって基本的な営みである労働のあり方をどのように変容させているのでしょうか。現代日本において広がっている労働の理想と現実の有り様は、現代の法学や政治学にとって、認識を広め、熟慮を深め、そして解決を進めるべき重要な問題の一つです。そしてそれは、私たちが市民として生活してゆくときも、あるいは将来法曹や公共政策に携わることを目ざすときも、想像力と共感を持って捉えてゆくべきことでもあるでしょう。またこの意味では、法学や政治学を学び知ることは、単に知識を身につけることではなく、現実社会の問題をよく理解し、法学や政治学がそれらにいかに対応してゆけるのかを主体的に考え、そして各自の置かれた立場において可能な行動に結びつけてゆくことでもあるはずです。
 中野麻美さんは、労働法・ジェンダー問題関係の活動的な弁護士の一人として、様々な市民ネットワークと連携しつつ、ご自身が<労働ダンピング>と名づけた現実に立ち向かって来ておられる方です。現代日本の労働問題の現場から、何が今法に求められているのか、私たち法学や政治学を学ぶ者はそれをどう受けとめるのか、一緒に考えてみたいと思います。どなたでも参加自由(無料)です。ぜひお越しください。
 
日    時:2007年10月05日(金) 18:00~20:00
場    所: 北大人文社会科学総合教育研究棟(W棟)2階 W203教室

◆ 講師
  中野麻美 ●弁護士・東京弁護士会、北大法学部卒
◆ 司会
  長谷川晃 ●高等法政教育研究センター長

●主催:北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター
●お問合せ先
 北大法学研究科附属高等法政教育研究センター
 電話 011-706-4005