シンポジウム 「政権選択選挙とメディア」

北海道大学法学部 市民社会民主主義研究プロジェクト企画シンポジウム

政権選択選挙とメディア

 戦後の日本政治の歴史の中で、初めて国民自身の手による政権交代が起こりました。政治の変化を求める圧倒的な民意のうねりが、このような結果を起こしました。この選挙では、各党がマニフェスト(政権政策)を示し、選挙戦における政策論争のあり方も、従来のものからは大きく変化しました。
 また、この選挙では、テレビや新聞などメディアが大きな役割を果たしました。2005年9月の小泉劇場と言われた総選挙と比べて、今回の選挙をめぐる報道の仕方はどのように変わったのか。そのことは国民の選択にどのように影響を与えたのか。
 現代の民主政治を追跡してきた北大法学部のプロジェクトでは、メディアウォッチの市民グループとも共催し、テレビや新聞の当事者も交えて、政権選択選挙をメディアがどう論じ、報道したかを振り返ってみたいと思います

日    時:2009年09月08日(火) 18:00 ~ 21:00 (開場17:40)
場    所: 北海道大学人文社会科学総合教育研究棟(W棟) W203室
(札幌市中央区北9条西7丁目 北大正門より徒歩5分)

<パネリスト>
山口二郎●北海道大学大学院法学研究科教授
高井潔司●北海道大学大学院国際広報メディア観光学院教授
北野宏明●北海道新聞社編集局次長/編集本部長
及川 純 ●UHB北海道文化放送報道制作局長

<コーディネータ>
中島岳志●北海道大学公共政策大学院教授

※入場無料。事前申し込み不要。※北大構内に駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。

 

主催: 文部科学省科学研究費基盤研究(S)
「市民社会民主主義の理念と政策に関する総合的考察」
(研究代表者/山口二郎)

共催:北海道大学法学研究科附属高等法政教育研究センター
    メディア・アンビシャス

お問合せ先:
北海道大学 グローバリゼーション&ガバナンス研究プロジェクト事務局
        北海道大学大学院法学研究科 TEL/FAX:011(706)3798

 

報告

 2009年9月8日、本学人文社会科学総合教育研究棟W203教室において、シンポジウム「政権交代選挙とメディア」を開催した。このシンポジウムは、メディア・ウォッチの市民グループ、メディアアンビシャスとの共催で、歴史的な政権交代選挙を新聞やテレビがどのように報道したかを検証するという問題意識で企画された。パネリストは、高井潔司(本学国際広報メディア研究科教授)、北野宏明(北海道新聞)、及川純(北海道文化放送)、山口二郎の4人で、中島岳志が司会を務めた。
 メディア側のパネリストは、2005年総選挙における劇場政治に対する反省をふまえ、今回の選挙については政策論争を中心に据え、地域社会や生活と政治のつながりを争点化するという視点で取り組んだことを強調した。また、学者側も興味本位の報道を脱し、メディアが選挙論戦に建設的に貢献したことが評価された。政権交代の興奮もさめやらぬ時期にこのような議論の場を作れたこと自体に大きな意義があったと思う。

20090908

山口 二郎