セミナー 「医療・介護の法と政治を考える」

北海道大学大学院法学研究科:組織的な大学院教育改革推進プログラム
コラボレーション・セミナー

医療・介護の法と政治を考える

 本企画では、所得格差や貧困と共に、急速に高齢化が進む現代社会が取り組むべき課題として、医療と介護をめぐる法と政治の問題について考えてみたいと思います。その手掛りとして、次の文献を読み合わせの上、レポーター/コメンテーター/参加者の三者間ディスカッションを行いたいと思います。
 
・結城康博『介護』(岩波新書、2008)
 ・吉岡充・村上正泰『高齢者医療難民』(PHP新書、2008)
 ・佐藤幹夫『ルポ高齢者医療』(岩波新書、2009)
※当日は、ぜひ文献を一読の上ご参加ください。この分野に関心がある方の参加を、お待ちしております。終了後には懇親会を予定しています。

日    時:2009年12月17日(木) 15:00 ~
場    所: 札幌市北区北七条西五丁目札幌北スカイビル8F
北大法学研究科大学院GPオフィス

◆ レポーター
鄭明政●北大法学研究科博士課程・憲法
児玉弘●北大法学研究科博士課程・行政法
郭薇●北大法学研究科修士課程・法社会学

◆ コメンテーター
吉岡恒雄●北海道社会保障推進協議会事務局長
本田和枝●北大病院医員

◆ 司会
三浦保紀●元北大法学研究科博士課程・社会法

◆ コーディネーター
長谷川晃●北大法学研究科教授
菅原寧格●北大法学研究科助教

主催:北海道大学大学院法学研究科組織的な大学院教育改革推進プログラム
共催:北海道大学法学研究科附属高等法政教育研究センター
お問合せ先:法613室(内)3792 / hlk@juris.hokudai.ac.jp

 

報告

この企画は、大学院教育改革推進プログラム「バックグラウンド多様化を活かす大学院教育」のコラボレーション・セミナーとして行われた。昨今の高齢化社会および高齢者医療の在り方の問題をテーマとし、レポーター/コメンテーター/参加者の三者間ディスカッションにおいて自由な意見交換を試みて、互いの学問的関心を磨こうという趣旨である。セミナーでは、指定された関連書物を事前に読み、レポーターには大学院生、コメンテーターには社会保障事務や医療の専門家に加わってもらい、多角的な議論がなされた。特に、高齢者医療の財政的実態や医療現場の実状を見据えながら、憲法や行政法、あるいは社会保障法といった法学の見地からは何ができるのかが議論の焦点となった。市民、法学生や法学者、あるいは実務家への問題提起など、理論的な法学の領域においてもなお切迫した現実に対してアプローチする道があるということについて参加者の意識が高まったことに大きな意義があった。

20091217

長谷川 晃