講演会 「日本型レジームの転換とつながりの再構築―社会関係資本への学際的接近」

山岸俊男●北海道大学大学院文学研究科教授
井出英策●慶応義塾大学経済学部准教授
辻康夫●北海道大学公共政策大学院教授
宮本太郎●北海道大学高等法政教育研究センター長
会場:北海道大学人文社会科学総合教育研究棟 W301室
時間:18:30~20:30
主催:北海道大学法学研究科附属高等法政教育研究センター

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報告

 センター主催による本セミナーでは、文学研究科教授でグローバルCOEプロジェクト「心の社会性に関する教育研究拠点」の前期拠点リーダーも務めた山岸俊男教授を招き、今日の社会科学で学問領域を超えて注目を集めている社会関係資本の概念と、その日本社会分析にとってのインプリケーションについてお話しいただいた。山岸氏は、各種のデータに依りながら、日本社会において人々の間の社会的信頼が弱いことを示し、この事実を国際比較の視点から検討すると同時に、日本における社会関係資本のあり方としても論じた。山岸教授の基調講演に対して、社会科学の各分野からのコメントとして、まず慶應義塾大学の井手英策准教授が、経済学の視点から、近年の日本の経済社会の変容に引きつけて問題提起をおこなった。次いで宮本が、比較政治学の展開をふまえて日本型政治経済と社会資本の関係についてコメントし、さらに本学公共政策大学院の辻康夫教授が、社会関係資本にかかわる政治理論の展開について論じた。
 このセミナーには、実定法分野の教員を含めて法学研究科のメンバーが数多く参加し、討論のパートでは各分野での研究動向をふまえた活発な発言が相次いだ。

20091222

宮本 太郎