「地方分権時代の地域政策」

佐和隆光●京都大学教授
荒田英和●PHP総合研究所主任研究員
石井吉春●日本政策投資銀行地域政策研究センター副所長
逢坂誠二●ニセコ町長

主催:高等法政教育研究センター・日本政策投資銀行

報告

センター附属研究会である「地域の自律に向けた政策金融のあり方の研究会」における研究プログラムの一環として、地域分権時代の地域政策を考えるシンポジウムを、2月23日、学術交流会館で開催した。シンポジウムでは、京都大学経済研究所佐和隆光教授が分権時代、成熟期の地域政策を考える視点・価値観の再構築に関する基調講演を行い、続いて山口二郎センター長のコーディネートの下で、PHP総合研究所荒田英知主任研究員、日本政策投資銀行地域政策研究センター石井吉春副所長、ニセコ町逢坂誠二町長、佐和隆光教授を参加者とするパネルディスカッションが展開された。パネルディスカッションでは、地域を取り巻く経済・社会環境の変化を踏まえ、「地域の均衡ある発展」、「ナショナル・ミニマム」の達成を目標に中央集権型で進められてきた戦後半世紀の地域政策を見直し、地域の責任と選択に立脚した自律化への政策とは何かについて議論が展開された。また、その際重要な点として、経済成長を第一に求める価値観の見直し、住民と共に政策を考え形成する仕組みの必要性などが指摘された。

感想

●逢坂町長が指摘されましたように、よりわかりやすい言葉で市民・道民との接点をもっていく垣根を低くするというスタンスが、いっそう重要になってきていると思います。内容は申し分ないのですが、開催時間帯を夕方(18時以降)にしていただくと参加しやすくなるので、今後ご配慮ください。(厚別区)

●佐和先生の講演は明快で分かり易かった。先生のような著名で距離が遠く感じられる(雲の上の存在のような)アカデミックな専門家の話を身近に聞ける機会をこれからも設けていただきたい。(アカデミックに限ることはないですね。)午後いっぱい使ったことで、平日夜行う場合と比べ余裕を持って充分な話を聞くことができたと思います。(西区)

●興味深い話が何点かあり勉強になった。カタカナ用語を少なくするともっと理解度が高まったと思う。(豊平区)

●前半のマクロ的な話と後半のミクロ的な話のそれぞれが興味深く、今後の参考となりました。(北区)

●経済学の知識が無いので不安でしたが、佐和先生のお話は分かり易く、今日は敬遠しなくてよかったと思いました。普段は“行政”について考えているのですが、やはり“経済”を知らなくては土台が弱いと感じているので、これからこれを足がかりとして勉強しなければと思いました。(もっと女性の参加を!と、女性の端くれである私はいつも思います。)(中央区)

●よかったが、内容が抽象的すぎるきらいがあった。(手稲区)

●地方分権における地域の政策展開の考え方について大変参考になった。北海道全域についてでも結構ですが、具体的政策の提言が一つ二つあってもよかったように思う。(南区)

●参加の都度、感心して帰ります。今後も続けていただきたい。レジュメがあってよかったです。   (河東郡上士幌町)

●分権、道、地域の自立がいかに難しいか再認識させられた。しかし情報の公開による住民力の発揮と首長(知事)の資質(リーダーシップ)に帰結するのではないかと考える。(北区)

●地方のこと、全体の理解が深まりました。ありがとうございました。

●逢坂町長の言葉ではないが、難しい表現はなかなか受け入れにくい。分かり易さは必須条件ではないかと思います。現実の地域、ニセコの意見が反映できたのは素晴らしい企画です。