講演会 「ウェブ社会の現在と未来 ―労働・政治・ナショナリズム―」

 1990年代後半から急速に進展してきた地球規模のITネットワークの広がりの中で、日本社会のコミュニケーションの形態も、特に若い世代を中心に大きく変化してきていることは、もはや論を俟たないところです。その一方では、今や様々な格差が社会に広がっていることが実感され、中でも若い世代における労働環境の悪化とそれに随伴した自由喪失感や社会的閉塞感の広がりは、深刻な問題として注視されています。これからの日本社会を担うべき人たちが否応なしに置かれているこのような社会状況を、現代の法や政治はどのように捉え、対処してゆけばよいのでしょうか。社会の基底で起こっているこの変化は、法学、政治学、そして一般に社会科学に関心のある人であれば決して忘れてはならない、人間的・社会的資源の形成や保障に関わる根本問題に触れていると思われます。
 高等研センターでは、今年度、若い世代の問題を中心に<格差社会の諸相を考える>というテーマを立てて、法や政治の構えを再考してきています。今回は、現代の「ウェブ社会」について注目すべき著作を公刊している気鋭の社会学者、鈴木謙介氏をお招きし、「ウェブ社会」の変容とそれと連動した若者の労働観や政治観の動きをめぐって、友人でもある本学公共政策大学院の中島岳志先生との対論形式で、皆さんと共に考えてみたいと思います。どなたでも入場自由(無料)です。ぜひお越しください。
 
日    時:2007年12月14日(金) 18:00~20:00
場    所: 北大人文社会科学総合教育研究棟(W棟)W203教室

◆ ゲスト
  鈴木謙介●国際大学GLOCOM・研究員 
  中島岳志●北大公共政策大学院・准教授
◆ 司会
  長谷川晃 ●高等法政教育研究センター長

●主催: 北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター
●お問合せ先
 北大法学研究科附属高等法政教育研究センター
 電話 011-706-4005