国際シンポジウム 「アクティベーションか、ベーシックインカムか、持続可能な社会構想へ」

ヨルゲン・グル・アンデルセン●オーフス大学教授(デンマーク)
ヤニク・ヴァンデルホルヒト●ルーベンカトリック大学教授(ベルギー)
場所:ホテルグランドパレス
時間:14:00~17:00
主催:文部科学省科学研究費基盤研究(A)
   「脱「日独型レジーム」の比較政治分析(研究代表者:北海道大学 宮本太郎)
   社会政策学会国際交流委員会
共催:社団法人 生活経済政策研究所
   北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター
   グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」(拠点リーダー:北海道大学 田村善之)

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報告

日本の生活保障のあり方が大きく変化するなか、その再編の道筋が問われている。このセミナーは、今日の福祉改革をめぐって浮上している「アクティベーション」と「ベーシックインカム」という二つのアイデアの関係を検討しながら、持続可能な福祉社会のあり方を考えることを主題としておこなわれた。無条件の基本所得給付を提起するベーシックインカムの立場を代表してルーベン・カトリック大学(ベルギー)のヤニク・ヴァンデルホルヒト教授が、また人々の就労支援を求めるアクティベーションの立場からオーフス大学(デンマーク)のヨルゲン・グル・アンデルセン教授が、報告をおこなった。ベーシックインカムと、アクティベーションという二つの考え方の、基本的な対立点が浮上する一方、ヴァンデルホルヒト教授はベーシックインカムが質のよい雇用を拡大することを強調、他方でアンデルセン教授は基礎的所得保障の大切を強調し、二つのアイデアの重なり合いも確認できた。全国の研究者や実務家40人ほどが集まり、活発な討論をおこなった。

宮本 太郎

20100226