4. 入試制度について

入試制度の概略については こちら をご覧下さい。

(2) 第1次選抜について

Q.5-1 書面審査の評価はどのように行われますか。

A. 入学願書、成績証明書、志望理由書、能力証明書資料等を総合的に評価して採点します。採点は、学部成績等からして、基礎的な教養、継続的な教育に耐えうる知的素養、忍耐力があるといえるか、志望理由書等から、目指す法曹となりうる資質、学修意欲、豊かな人間性があるといえるかという観点から行います。

Q. 5-1-1 2年課程と3年課程とで、①第1次選抜通過のための書面審査の最低点は異なるのでしょうか。②もし異なるとすると、2つの課程を併願した場合、2年課程では第1次選抜に合格し、しかし、3年課程では第1次選抜で不合格ということもありうるのでしょうか。

A. 第1次選抜においても、2年課程と3年課程は別々に判断します。したがって、①も②もありえます。しかし、どの程度の差になるかはそれぞれの課程の志願者数およびその得点分布等によりますので、あらかじめ知ることができません。

Q. 5-1-2 書面審査では、過去の司法試験の予備試験の成績も加味されますか。

A. 過去の司法試験の予備試験の成績の扱いは、2年課程と3年課程とで異なります。まず2年課程の書面審査においては、過去の司法試験の予備試験の成績も学部の成績等と同様、一つの考慮要素とされます。他方、3年課程の書面審査においては、過去の司法試験の予備試験の成績は一切考慮されません。

Q. 5-1-3 書面審査では、日弁連法務研究財団の法学検定試験や法学既修者試験の成績も考慮されるのでしょうか。もし考慮されるとすると、既修者試験で選択科目とされている科目(商法・行政法)も全て受験している必要がありますか。また、おおよそ何点以上のスコアが必要とされますか。

A. これも2年課程と3年課程とで異なります。まず2年課程の書面審査では、日弁連法務研究財団の法学検定試験や法学既修者試験の成績も考慮されます。ただし、最低点が決まっているわけではありませんし、また選択科目を特に必須としているわけではありません。他方、3年課程の書面審査においては、法学検定試験や法学既修者試験の成績は一切考慮されません。

Q. 5-1-4 書面審査についておたずねします。①TOEICやTOEFLについては、最低どのくらいのスコアが考慮されるでしょうか。②専門学校(3年制)を卒業し、国家資格を持っていますが、記載すれば評価してもらえるのでしょうか。

A. ①TOEICやTOEFL等の成績も書面審査の考慮対象となります。最低スコアは特に決めていません。なお、北大法科大学院では、語学の資格証明を必須要件とはしていません。②国家資格も書面審査で考慮されます。

Q. 5-1-5 TOEICの成績証明について、過去何年前までという基準はあるのでしょうか。5~6年前のものでもよいのでしょうか。

A. 時期の制限は特に設けていません。ただ、昔の成績ということであれば、評価にあたって、それが現時点で有意といえるかという問題が生じるでしょう。

Q.5-1-6 TOEICの成績表を提出する場合、コピーでもよろしいでしょうか。

A. TOEICの成績表については、原本を提出してください。詳しくは 入学案内>7. (3) 資格等の証明書について をご覧ください。

Q. 5-1-7 TOEICの点数を、各大学生協などが主催して行っているTOEIC IPという団体受験形式のもので申告したいと思うのですが、これも通常のTOEICと同様に扱われるのでしょうか。その場合、公式認定証が発行されないので、スコアシートの提出になりますが、それでもよいのでしょうか。

A. IPテストについては、運営委員会が公式の成績とは認めていないので、原則としてTOEICの成績としては評価することができません。

Q. 5-1-8 ①出願書類のうち任意提出書類(語学検定試験の成績等)は、その内容が芳しくないものであった場合、提出したことによって不利に取り扱われる可能性はないのでしょうか(たとえば提出しなかった人の方が有利になるなど)。②複数の大学学部・大学院に在籍したときは、すべての成績証明書を提出するようになっているようですが、これにも上記のような懸念があります(たとえば、2校卒業したうち片方は大変よい成績だが、もう片方はあまり芳しくないなど)。③何らかのミスで自分が在籍した大学学部・大学院のすべての成績証明書を提出せず、合格後にそれが判明したとき、合格取消しなどありうるのでしょうか。

A. ①任意提出の能力証明資料等については、基本的にプラス評価の材料としますので、積極的に提出してください。②大学の成績は(芳しくないものも含めて)すべて提出していただく必要があります。③提出書類に偽造・改ざん等があった場合(不利になりうる経歴等を隠したような場合も含む)、合格取消しとなる可能性がありますので、注意してください。

Q. 5-1-9 大学院修士課程で修士論文を作成し、公表した場合、このように公表した著作等も書面審査の対象とされるのでしょうか。

A. 書面審査の対象となります。

Q. 5-1-10 能力証明資料として、学部の卒業論文を添付することは意味があるでしょうか。

A. 能力証明資料として提出することは可能です。ただし、それによって表彰を受けたとか(Q3-1-11参照)、学術誌に公刊されたなどの事情がある場合は別として、卒業論文それ自体を「顕著な成績」と評価することは通常は難しいと考えられます。

Q. 5-1-11 公表した論文が優秀であるということで、在学している大学から奨学生として認めていただきました。公表した業績に添付する形で、その奨学生制度の設立趣旨と奨学生証明書を提出してもよいでしょうか。

A. そのような書類も添付してください。その際には、当該奨学金がどの程度重要なものかについての説明も付記してください。

Q. 5-1-12 能力証明資料として、弁理士試験の第1次試験の結果や第2次試験の結果を提出することは認められますか。

A. 提出いただいて結構です。

Q. 5-1-13 推薦状の提出は認められないのでしょうか。

A. 北大法科大学院では、勤務先等との関係などで問題が生じる可能性があることから、推薦状の提出を認めないことにしています。たとえ提出されても考慮しません。

Q. 5-1-14 書面審査についてお尋ねします。①学部の成績の場合、大学や教科によって、ABC評価だったり、合格・不合格評価だったり、具体的な点数による評価だったりと、表示方法が様々なことがありますが、これらはどのように評価されるのでしょうか。②また同じABC評価でも、AA評価がない大学の場合、AA評価のある大学に比べて不利にならないのでしょうか。

A. ①学部成績の評価にあたっては、優(またはA)もしくはそれに相当する成績(100点満点の評価であれば80点以上)の科目がどのくらいの比率かが基準となります。したがって、ABC評価であれ、点数による評価であれ、いずれも同様に評価されます。ただし、合格・不合格判定の場合、このような評価ができませんので、書面審査の対象からは除外されます。②秀(またはAA)は優と同視しますので、このような評価方法を導入していない場合でも、不利益となることはありません。

Q. 5-1-15 学部成績についての大学間格差を考慮するために、たとえば各大学で学部成績優秀者に給付される民間の奨学財団の奨学生の証明書を学部成績に添付して、自分の学部成績が大学間の格差を考慮しても優秀であることを証明してもよいでしょうか。

A. 学業成績を証明するものであれば、厳しい制限は設けず、広く提出していただいて結構です。

Q. 5-1-16 外国の大学を卒業したのですが、GPA自体はあまり高くありませんでした。しかし、成績証明書には”with distinction(優等生)”という記載があり、大学の要項によると、B+以上の総合成績を修めた者に対する”Recognition of Exceptional Academic Achievement”に値するawardsの一つとされています。この大学ではAをとるのが厳しいという事情を踏まえ、そういった評価を与えているのです。入試では、いかに各人が大学時代に学業に励み、成果を出したかを評価する一つの材料としてGPAが使われると思いますが、単純なGPAの数値のみならず、成績証明書から判断できる限りで、その周辺事情(クラス平均や学年ごとのGPA等)も考慮されるのでしょうか。

A. 判断できる限り、考慮します。しかし、特に外国の大学の場合、評価が難しいと思われますので、関連する資料をすべて提出してください。

Q. 5-1-17 私は他大学の他学部の4回生です。今まで法律関係の科目はあまり履修しておらず、当然ながら法律関係の資格は一切取得していません。そうすると書面審査においてかなり不利な状況になるのでしょうか。

A. まず、書面審査の対象となる学部の成績は、出願者が在学している(いた)学部のそれであり、法学部のものに限られるわけではありません。またその学部で勉学に励んだことを示す資料であれば、広く提出してください。

Q. 5-1-18 現在、大学法学部の2回生で、4年次に法科大学院の受験を考えています。長時間労働や不当解雇といった労働問題に関心があり、将来は弁護士として労働問題に関わる業務に多く携わることができればと考えているため、志望理由書にもその旨記載するつもりです。ですが、学部段階では六法や行政法を中心に履修しているため、学部3年次に開講される労働法の講義を履修する余裕がありません。このような場合、志望理由書と学部成績(履修状況)とが整合性を欠くとしてマイナス評価されてしまうのでしょうか。学部3年次に無理をしてでも労働法を履修すべきでしょうか。

A. 法科大学院で労働法を学ぶことは可能ですので、整合性を欠くとしてマイナス評価されることはありません。ただし、一般的なアドバイスとしては、将来労働問題を専門的に取り扱うつもりであれば、学部において労働法を受講しておく(さらに労働法の演習等にも参加する)ことが望ましいといえます。

Q.5-1-19 私は民法の研究者を志望し、法科大学院への進学を希望しています。志望理由書の記載事項である「法曹を志望する理由」、「将来自分がなりたい法曹像」の「法曹」には、研究者も含まれると考えてよいでしょうか。

A. そのとおりです。北海道大学大学院法学研究科の研究大学院(法学政治学専攻)は、実定法分野を専攻する研究者の養成のために、北海道大学または他大学の法科大学院を修了した方々が博士後期課程を受験することを認めています。したがって、志望理由書の「法曹」には、実定法分野を専攻する研究者も含まれると考えて構いません。