北海道大学法学研究科・研究会とは

 北海道大学法学会は、「法律及び政治に関する理論、歴史及び実際を研究し、その成果を発表し、内外の学会と提携連絡して斯学の発展に寄与することを目的として」昭和25年4月1日に発足した。会員は、法学部(昭和28年4月の法学部独立前は、法経学部法律学科、政治学科)の教授、助教授、講師及び助手等である。
 本会の事業は、(1)研究会及び講演会の開催、(2)機関誌の発行、(3)その他本会において適当と認めた事業であるが、現在の活動は、(1)が中心である。
 研究会は、原則として月1回、専攻を問わず本学部の教員、大学院生の他、他大学の教員等が参加して、研究報告及び質疑応答を行っている。海外のゲスト・スピーカーを招請することもある。

研究会一覧

公法研究会

 憲法及び行政法に関する最新重要判決を取り上げ、会員の報告に基づき討議するほか、学位論文等の研究報告が行われる。会員は、本学の教員・大学院生を中心に、道内の公法研究者に広く門戸を開いている。
 本研究会の特徴は、他の同種の研究会では分離しがちな憲法と行政法の研究者が一堂に会し、憲法・行政法のいずれにも偏しない、総合的検討を行っているというところにある。本研究会は、最新の学界動向を反映した研究報告の場であると同時に、大学院のカリキュラムの一環をなしており(公法総合演習6単位)、とりわけ博士前期課程の学生に対し判例研究のトレーニングの場を提供している。
 【会員数;40人(うち部外者18名)、開催数;年20回程度】

国際法研究会

 国際法に関心をもつ本学教員、大学院生、道内の研究者、実務家を中心に、国際法の判例(国際裁判所の判例を含む)研究報告と討論、一般研究報告と討論、学術図書・文献の合評会等を行い、国際法に関する学術交流を推進し、国際法研究を発展させることを目的としている。また、近年の日本社会におけるグローバル化現象に着目し、国内法・政策と緊密な関係のあるテーマ(例えば人権条約の国内実施、環太平洋戦略的経済連携(環太平洋パートナーシップ:TPP)協定等)について、国内法又は政治系分野も含めて掘下げた議論を行うため、そのつど国際法外の非会員の研究者や大学院生も参加する研究会・勉強会を開催することもあり、こうした異分野との学術交流の重視は本研究会の特徴である。 [会員数;18人(うち学外者14名)、開催数;年8回程度]

北大立法過程研究会

 本研究会は、昭和55年に法学部の憲法及び政治学関係スタッフを中心に発足し、立法過程に関する共同研究、研究情報の交換、基礎文献資料の収集に当たっている。学部外からは、立法実務経験者及び立法過程研究の専門家が参加している。共同研究では、両議院法制局や行政官庁の実務家の協力を得て、学界と実務界の橋渡しになる研究を行っている。
 最近の共同研究の成果として、中村睦男編「議員立法の研究」(信山社、1993年)が、文部省科学研究費補助金(研究公開促進費)の交付を受けて出版された。
 【会員数;21人(うち部外者13名)、開催数;年2回程度】

環境法政策研究会

 本研究会は、平成20年に法学研究科の環境法(国際環境法も含む)及び環境政策に関心のある本学教員を中心に発足し、環境法(国際環境法も含む)や環境政策に関する共同研究、研究情報の交換等を行っている。学外から研究者や実務担当者等を招聘し、研究会を開催することもある。共同研究では、これまでに環境条約の国内実施に関する学際的な実証研究とその成果報告等を行ってきている。 [会員数;35人(うち学外者30名)、開催数;年4回程度]

民事法研究会

 民事法に関心を持つ本学教員、大学院学生、道内の研究者による民事法全分野の判例研究報告、一般研究報告及びそれをめぐる討論による会員の相互研鑚を目的とする研究会である。
 研究会は、授業期間中の毎週金曜日の午後、原則として1回2件の報告がなされている。また、民事法関係の研究者養成コースの大学院学生への教育を兼ねており、大学院カリキュラムの一環をなしている。
 【会員数;60人(うち部外者35名)、開催数;年26回程度】

刑事法研究会

 本研究会は、刑事法に関する近時の判例について、検討を加える。また、会員個人の研究報告を適宜行い、研究を深めることを目的としている。また、本研究会は、大学院カリキュラムの一環をなしている。
 【会員数;24人(うち部外者9名)、開催数;年17回程度】
 刑事法研究会ウェブサイトへ

札幌刑事法(合同)研究会

 本研究会は、刑事法関係の実務家(札幌地裁、地検、弁護士会所属の者)と、タイムリーな問題等を議論することにより、理解を深めるとともに、実務家との交流を目的としている。
 【会員数;50人(うち部外者26名)、開催数;年2回程度】

労働判例研究会

 労働判例の研究を中心に、最新の立法動向や比較法的な研究も行っている。研究の成果は、「法律時報」及び「労働法律旬報」に定期的に掲載している。また、本研究会は、大学院カリキュラムの一環をなしている。
 【会員数;30人(うち部外者10名)、開催数;年30回程度】

社会保障法研究会

 社会保障法に関する裁判例、立法動向及び比較法的な動きを研究している。会員相互間で議論をするとともに、行政担当者の見解を聞くよう試みている。研究成果は、「賃金と社会保障」誌に定期的に掲載している。
 【会員数;20人(うち部外者10名)、開催数;年10回程度】

法理論研究会

 本研究会は、法哲学・社会哲学・法社会学・政治哲学などに関わる諸問題について議論の交流を図ることを目的として、それまであった法哲学研究会を吸収する形で1995年4月から発足しました。
 【会員数;20人(うち部外者4名)、開催数;年10回程度】
 法理論研究会ウェブサイトへ

ローマ法研究会

 ローマ法学及びその影響のもとに発展した法学にしたがって、西洋法学の原典史料を読み、それを法学史的に位置付ける作業を行うことで、法学史の史料研究のあり方をマスターすることを目的とする。昭和57年4月以来、小菅教授(現名誉教授)の主宰のもとに研究会が続けられてきた。この間、ゲストとしてメーディクス(ミュンヘン大学教授)、アンクム(アムステルダム大学教授)、クニューテル(ボン大学教授)といった著名なローマ法学者も報告を行った。
 【会員数;18人(うち部外者14名)、開催数;年12回程度】

政治研究会

 ア 札幌を中心とする大学・研究機関・行政などで「政治学」を学ぶ人々の情報交換、人物交流の学問的場としている。
 イ 広義の「政治学」の知の最前線で研究している方から報告を受け、質疑応答を通じて会員の知的力量の向上を図っている。
 ウ 政治学の各分野の研究動向を知り、分析視角や発表技術等を大学院生レベルの研究者に理解させ、もって教育に資している。
 エ 年一回会報を発行している。
 オ 本研究会は、大学院カリキュラムの一環をなしている。
 【会員数;57人(うち部外者31名)、開催数;年10回程度】

札幌医事法研究会

 本研究会は、「医と法」の間の建設的対話という基本目標のもとに、法学研究者・実務家・医療関係者が「医と法」の接点である諸問題を研究・討議するために昭和61年5月に設立された。
研究テーマは、当初は狭義の法的問題が多かったが、最近はそれに留まらず、医療保険制度・保険経済・生命倫理・高齢化社会と医療制度・医療判断学など広いトピックが取り上げられる傾向にあり、改めて医療をとりまく問題の広さと深さを実感させられている。今後、この分野はますます重要性を増すものと思われる。
 【会員数;50人(うち部外者40名)、開催数;年8回程度】

地方自治法研究会

 大学研究者のみならず、自治体職員、弁護士等が参加し、地方自治に関係する判例研究、書評、研究報告、実態調査を行い、研究成果を各種雑誌に発表している。設立は、昭和63年である。
 【会員数;40人(うち部外者30名)、開催数;年10回程度】

経済法研究会

 独占禁止政策を中心に、経済活動に対する政府規制(規制緩和も含む。)や産業政策の法的及び経済的な論点を討議する場として設けられた。公正取引委員会が取り上げる競争政策上の問題点だけでなく、公正取引委員会の活動自体の問題点を法的・経済学的に検討する場であり、また、経済法に関する会員個人の研究成果を公表して議論する場でもある。
関東、関西など道外の経済法研究者や公正取引委員会事務局のスタッフを招いて、報告してもらうことが少なくない。外国の学者に報告してもらうこともある。
 【会員数;20人(うち部外者10名)、開催数;年12回程度】

民法理論研究会

 本研究会は、民法 (及びその隣接領域) の理論的問題を素材として、報告して学際的議論を行うことを目的としている。民事法研究会では主として判例報告がなされるので、それを補う形で行われており、1992年(平成4年)9月に設立された。
扱うテーマは、解釈方法論、所有権理論、現代契約法理論(継続的契約論、システム契約論等)、不正競争論、ポスト近代の家族法理論、法社会学的・法経済学的民法論、法学教育論などと多岐に亘っているが、書評会という形でなされることも多い。
 【会員数;20人、開催数;年6回程度】

グローバリゼーション研究会

 グローバリゼーション研究会は、一線で活躍されている外交官・国際公務員・ジャー ナリストや研究者の方々を招聘し、約二週間に一度のペースで、議論するものです。他に断りがない限り、月曜日の15時から、北大内エンレイソウ2F会議室にて行われ、どなたでも参加自由です。トピックは、資本移動、バブル、官僚制、民主主義、新自由主義、安全保障などと広範囲にわたりますが、敢えて言えばグローバル化とそれを生き延びる国家とに焦点を合わせているといえます。幹事は、法学部の中村研一教授、川島真助教授、遠藤乾助教授、経済学部の佐々木隆生教授、言語文化部の遊川和郎助教授がつとめております。プログラムは、掲示のほか、たちあげつつあるホームページなどからもご覧になれます。お問い合わせは、globe@juris.hokudai.ac.jpにてお願いいたします。
 【会員数;25人、開催数;年15回程度】
 グローバリゼーション研究会ウェブサイトへ

法形成論ランチォン

 法形成あるいは法の変容・新生というテーマを軸に、専門分野の枠を超えて自由に議論することを目的として、1999年に設けられた研究会です。ランチタイムに弁当などを食べながら自由な雰囲気で議論する形式をとっています。どなたでも気軽に参加できます。」
 【会員数;不定、開催数;年8回程度】
 法形成論ランチォンウェブサイトへ

知的財産法研究会

 本研究会は、知的財産法に関心を持つ本学教員、研究員、大学院生を中心に、他大学の研究者、および実務家らによって構成されている。知的財産法 に関する近時の内外裁判例の研究はもとより、会員各自の興味に合わせた自由な研究報告が行われている。研究成果の一部は、「知的財産法政策学研究」に掲載される。
また、研究者養成コースの大学院学生への教育を兼ねており、大学院カリキュラムの一環をなしている。
【会員数;約30人、開催数;年20回程度】