北海道大学法学部が目指すもの
人と人とのさまざまな利害や価値観の対立を調整し、一人ひとりが幸せを実感できる社会を築くことを目指しています。そのために、法学・政治学の立場から、よりよい社会を実現するための法律制度や政治制度を構築し、運用し、評価することで、グローバルな視点から広く社会に貢献できる豊かな人材を育成しています。
北海道大学法学部が求める学生
北海道大学法学部はこんな学生を求めています。
- 弁護士、検察官、裁判官、司法書士、行政書士、税理士、弁理士など、法律に関する専門的な知識を生かした資格を取得し、社会に貢献したい学生
- 財務省、外務省、経済産業省など、中央官庁の行政官として国家運営に貢献したい学生
- 都道府県や市町村などの地方公共団体の行政官として、地域住民に貢献したい学生
- 法律学や政治学の幅広い知識を生かして民間企業で活躍したい学生
- 現代社会で生じるさまざまな問題を批判的に観察し、分析し、その問題を解決していく力を養いたい学生
北海道大学法学部で何を学ぶか
法学部で学べる教育は、「法学部」という名称から受ける印象よりもはるかに広い分野に及んでいます。六法全書や判例を中心にした、狭い意味での法律学はもちろんのこと、政治学、行政学、社会学、哲学・思想、法と経済の関わり、歴史、文化、外国事情など、法学部で展開される教育は、まるで社会科学の小宇宙です。そこで幅広い知識を身につけてゼネラリストとなるか、それともある分野に特化した専門的知識を身につけてスペシャリストとなるかは、学生のみなさんが自由に選択することができます。
また法学部の授業は、講義室で講義を聴くだけではありません。演習、いわゆるゼミはすべての学生に必修の科目です。ゼミは10~20人くらいの少人数で構成され、そこでは、講義を基にしたより専門的な内容について教授と学生が直接議論を交わすことができます。学生たちが教授を質問攻めにしている光景を見ることも少なくありません。「法学部で学んだことは?」という問いに対して、多くの卒業生はゼミの内容を答えます。
コース紹介
1年次では、法学・政治学の入門講義を受けます。本格的な専門教育は2年次から始まり、憲法、民法、刑法といった基礎的な法律学から徐々に専門的な科目へと移行していきます。2年次の2学期開始時にコースを選択しますが、どちらのコースも定員はありません。
選択したコースは、3年次または4年次に1回だけ変更することが可能です。
法専門職コース
基本的な法律についてより重点的に学習し、法律知識を前提とした専門的な職業に就くことを目指した、スペシャリスト養成のためのコースです。期待される進路としては、法科大学院への進学を経て司法試験を突破しての法曹(弁護士、検察官、裁判官)、司法書士、行政書士、税理士、弁理士などの法律専門家や、民間企業の法務部員、公務員等の行政官などが挙げられるほか、法学研究科(研究大学院)への進学を経て法律学の研究者を目指すことも可能です。このコースのカリキュラムでは、基本的な実定法科目(憲法、民法、刑法、商法、行政法等)を重点的に履修し、その他に学生の興味に合わせて国際法、知的財産法、労働法、経済法、社会保障法などを選択して履修することができます。
総合法政コース
社会の多様な分野で活躍することを目指し、その前提となる法的素養と政策判断能力、さらには幅広い視野と国際感覚を身につけたゼネラリストを養成するコースです。公務員、外交官、国際機関職員、民間企業、ジャーナリスト、政治家、教員、NGO職員、法学政治学の研究者などが進路として想定されます。また公共政策大学院や研究大学院へ進学してさらに高度の知識を身につけることも可能です。
重点学習領域履修認定制度について
総合法政コースのカリキュラムは幅広い学習を可能とするため必修、選択必修の範囲を緩やかにし、学生の興味に合わせた自由な履修を実現していると同時に、科目選択の目安とするため、「重点学習領域履修認定制度」を採用しています。
「重点学習領域履修認定制度」とは、5つの重点学習領域を定め、それぞれの領域につき指定された科目を一定単位以上修得した者に、その領域についての重点学習領域履修の認定を卒業時に行います。なお、この領域はコースではありませんので、どれか1つを必ず履修しなくてはならないというものではありません。
- 行政・ガバナンス領域(憲法、行政法、政治学、地方自治論、国際政治等)
- ビジネス領域(民法、商法、経済法、知的財産法、国際経済法等)
- 市民生活領域(民法、刑法、社会保障法、労働法、法社会学等)
- 歴史・思想領域(法史学、法哲学、法と経済学、各国の政治史、西洋・日本思想史等)
- 国際領域(国際法、国際私法、比較法、アメリカ政治史、アジア政治論等)